2007年06月29日

*日溜り  *澱み  *川岸にて

*日溜り

公園の日溜りに
座して 憩えば
鳩も身近に 羽をたたむ
梢に残る 木の葉は光り
苔むす石の 面(おもて)も揺れる


枯葉に埋もれて 目を閉じれば
陽に温まる 樹木(きぎ)の騒(ざわ)めき
空を駆け抜け
きれぎれに聞こゆ 人の声
風は巧まぬ 音の指揮者


陽が傾くまでの 暫しの安らぎ
空気を冷やして 薄暮(はくぼ)は迫り
鳥は枝えと 帰り立つ
腰を伸ばして 独り言
「明日はどんな日が くるのかな」




*澱み

堤のかげの 小さな澱み
   流れを外れて 渦を巻く
蚊取り線香ほどの 小さな渦
   取り残された 水の停滞
あめんぼうは 歓び踊り
   水澄ましも しばしの安らぎ


永らく渦で あってはならぬ
   小さな虫が 歓ぶとしても
木の葉がくるくる 回るとしても
   いずれ海へと 流される運命(さだめ)
陽のままでは 居られまい
   早く海へと 目指すが良し




*川岸にて

水澄ましは 転々(くるくる)ジルバのダンス
あめんぼうの足取りは 雅なワルツ
田亀の脚は フォックストロット
川面は 虫たちの 舞踏会


菫(すみれ)の花弁は 蜜蜂とタンゴ
月見草は 微風(そよかぜ)にブルースを舞う
野菊も揺れて ルンバのリズム
季節を歌う とりどりの(はな)華


空見上げれば 雲は謡蕩(たゆと)う
細かな水滴の 粒々が雲
風と戯れる ステップは何
ぼくの心も 宙天に踊る 





 次回は「 紙雛 」編をご紹介します。

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