2007年07月03日

* 旅

*旅

心寂しく 斑鳩(いかるが)の
法隆寺へと 尋ねたり
松蔭蒼(あお)き 金堂(こんどう)に
ロ甬(ず)す僧の経 籠りけり

柿食わぬ身にも 鐘の音
怨霊の呪詛(じゅそ)とも 響きけり
聖徳の甍(いらか) 聳(そび)え立ち
吾が奥心を 圧すなり

玉砂利白き 参道に
橿原の宮 詣でたり
国治めたる 神々の
昔に 思いを致すなり

古(いにしえ)の樹々 黒土に
新しき芽 見いだせり
雲重なりて 多武(とう)の峰
遙けき旅を 思うなり




 ※(頭のなかでの旅行) 編集者:興津千恵子さん(小学校の同級生)後書きより

 彼の詩の中に、京や法隆寺への旅がよまれています。
「小学校の頃、そんなに旅行が出来たの」と聞いたら、「行ってませんよ。図書館には、
名所や観光地の案内の本も沢山ありました。 それらの解説や写真を眺めていると、
行ったような気になる。 その想像と実際とのギャップも、そんなにないものです。
むしろ想像のほうが楽しくて、実地に行ってがっかりすることもありました。
そんな旅行なら、月や火星にも行きましたよ。」  これが返事。

頭の中での旅行、いつもひとりで居た彼は、そんな楽しみの術(すべ)も心得ていたのですね。


  次回は「京づくし」をごしょうかいします。


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Posted by 葡萄 at 02:30│Comments(0)「 旅 」
 
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